コンテンツまでスキップ

導入事例 西川病院

 

停電時でもオール電化厨房で、しっかり食事提供ができる備えを。

 

5西川病院 理事長写真2

 

<PROFILE>

5西川病院 外観

社会医療法人 清和会
理事長 林 輝男様
 
精神科救急医療施設として、入院から外来までさまざまな医療サービスや相談を行う西川病院様。LPガス非常用発電機を導入されたきっかけや導入時のポイント、地域の方々の反応などをお伺いしました。
 

患者様と浜田地区の人たちを守るために災害対策の強化へ。

 清和会は、精神障がい者の支援をする西川病院を運営しています。この浜田地区では、緊急時対応や緊急入院できる精神科医療機関はここしかありません。
 
 仮に災害が起こり、西川病院が機能しなくなった場合、この地域の精神医療は閉ざされてしまいます。そのため、以前から災害に備えて、バックアップ用の最低限の電源や食事を作るための薪などは備蓄していました。しかし、ここ数年、島根県では記録的な大雨が観測され、土砂災害の危険も高まっています。
 
 そうした状況を鑑みて、さらに災害対策を強化する必要があると考えました。そこで、以前からお付き合いがある岩谷産業の島根県でのLPガス供給会社であるイワタニ島根に何か良い対策ができないか相談することにしました。


オール電化厨房の備えとしてLPガス非常用発電機を導入。

 実は、イワタニ島根に相談した当初は、非常用発電機の導入を検討していたわけではありません。当病院の厨房がオール電化のため、停電時でも患者様に食事を提供するためにLPガスで使用できる岩谷産業の炊き出しセット「デリバリーステーション」を備えようと思ったのです。
 
 しかし、実際に災害が起こった時のことを考えると、当病院の患者様だけではなく、地域の方々も困っているはず。その時、当病院は地域の避難場所として機能するべきだと思いました。そうすると、たくさんの人たちの食事や避難生活を支える必要があります。
そこで、デリバリーステーションと合わせて、LPガスの非常用発電機の導入も検討することにしました。
 
 非常用発電機が稼働すると厨房の煮炊きをする釜、IHの調理器を使用できるようにしています。それは、災害時でもしっかりと食事を摂れる環境を作りたかったからです。
  万が一、水害で厨房が使えなくなった時のことも考えて、当初から予定していたデリバリーステーションも備えています。また、非常用発電機横にも屋外コンセントとガス栓を設置し、施設内の厨房だけでなく、外でも調理器具や投光器を使用できたりするようにしています。
 
西川病院1    西川病院2
    
<スケジュール>
2018年    イワタニ島根へ相談
2019年       設置に向けた本格的に検討へ
2020年4月    補助金申請・採択   
    9月    着工   
           12月        竣工


補助金を活用し、設備導入へ。近隣住民の方からは安心の声も。

 設置にあたっては、イワタニ島根から補助金活用の提案もいただきました。そのおかげで、病院と精神科デイケアに設置した非常用発電機は2分の1、同時に申請した同法人の福祉施設の方では4分の3を補助金※で賄えることになりました。
 
 申請に必要な資料の提出などもイワタニ島根にサポートしてもらい、非常にスムーズに採択が決まりました。そこから設置に向けた工事も事業を停止することなく、いつの間にか終わっていたという印象です。
 
 ただ、予想外の出来事もありました。ガスバルクを設置したことで、近隣の方々が爆発の危険があるのではないかと不安に思われたようです。そこで、イワタニ島根と共に一軒一軒近所の方々の元に伺い、きちんと管理された環境となっているため決して危険なものではないこと、災害時には近隣の方にもご使用いただける設備であることを説明しました。
  
 そうすると、安心してもらい、逆に喜んでいただくことができました。また現在、玄関の近くにある非常用発電機に看板の設置を予定しており、当病院が災害に強いこと、そして、災害時にはこの場所を避難所としてご利用いただけることを明記し、情報発信しようと考えています。

※使用している補助金が施設毎に異なります。詳細はお問い合わせください。
 
西川病院3 西川病院4 西川病院5
 ↑非常用発電機とバルクの隣にコンセントとガス栓を設置し、屋外での使用も可能に。

 

騒音の心配も、管理の手間もなく、災害に強い病院に。

 設置後、実際に停電になるという事態は起きていないのですが、電気保安協会の停電試験が行われる時などに試験運転をしています。それほど騒音がないということは聞いていたのですが、実際に稼働させても音は全く気になりませんでした。
 
 実は以前、福祉施設の方にディーゼルを燃料とした発電機があり、稼働させると非常に大きな音がしていたのです。それが近隣の方々に申し訳なくて…。今回、LPガスの非常用発電機を導入したことで、そのディーゼルの発電機は撤去することに。騒音でご迷惑をおかけするという心配がなくなりました。
 
 LPガスの残量はイワタニ島根が遠隔で毎日チェックしてくれており、仮に残量が50%以下になれば補充してもらう運用となっています。※なお、残量が50%以上あれば、3日間以上設備の稼働が可能です。常に災害に備えられているという状態で安心しています。

また、精神科デイケアにある体育館にはLPガスを燃料とするGHP(ガスヒートポンプ)空調設備も導入しました。夏の熱中症や冬の低体温症へのリスクを軽減し、地域の方が体育館で避難する場合でも、快適に過ごしてもらうことができます。
  都市ガスを使用するという選択肢もあったのですが、都市ガスは地震などが起こると供給が途切れる可能性があるため、災害に強いLPガスで備えることにしました。

 今回、非常用発電機を導入したことで、専門的な知識を持った人たちとしっかり準備を進めれば、災害に対する安心・安全は確保することができるものだと実感しました。
※災害時の補充は、発生時の交通状態によります。


西川病院6   西川病院7

 ↑ 床置型6馬力のGHPを体育館に10台設置