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非常用発電機の燃料はどっちが良いの? LPガスと軽油(ディーゼル)の違いはココ!

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 非常用発電機の導入を検討する際、検討しなければいけないのがLPガスと軽油(ディーゼル)のどちらを燃料とするかということです。岩谷産業ではLPガスをおすすめしていますが、もちろんどちらにもメリットとデメリットがあります。
 そこで、今回は非常用発電機を導入するにあたって重要となるポイントと、燃料による違いをご紹介いたします。


 

◆長期間を見据えた保管性は?

 まず1つ目に検討したいポイントは“保管性”です。災害、停電というのは、いつ発生するか予測できません。そのため、常に一定の燃料を、保管しておく必要があります。その時に考慮しておきたいのが、燃料をどのくらいの期間、劣化することなく保管しておくことができるかという点です。
 軽油(ディーゼル)は、液体燃料です。そのため、空気にふれると酸化して劣化が進みます。目安として、5年に1度は交換が必要とされています。一方で、LPガスは液体燃料ではありません。そのため、空気に触れることがなく、劣化しにくい燃料です。約20年は品質を保持したまま保管が可能とされています。
 万が一という言葉の通り、いつ起こるかわからない停電。長期での保管性を考えれば、LPガスが安心できます。

管理のしやすさは?

 燃料を保管した際の“管理のしやすさ”も検討しておきたいポイントになります。前述したように、災害はいつ発生するかわからないため、備え万全の状態にしておく必要があります。そのためには、定期的な点検、メンテナンスが不可欠です。この定期点検やメンテナンスには専門的な知識が必要となるため、業者のフォローが常時ある体制が安心です。
 LPガスの場合は、ガス業者が常に残量のチェックなど行います。そのため、何か稼働に問題があれば、事前に発見できる可能性が高いです。
一方、軽油(ディーゼル)の場合は、基本的にユーザーが設備や燃料の残量管理などを行わなければなりません。通常業務に加えて、こうした業務が加わることは、そこで働いている人の業務の負荷を高めてします。管理のしやすさという観点からも、LPガスを燃料とする方が、長期的な備えとしては安心だと考えられるでしょう。

◆機種のバラエティは?

 ここまでを聞くと断然LPガスの方がよいのではないかと思われるかもしれません。しかし、軽油(ディーゼル)の方が優位な点ももちろんあります。その一つが非常用発電機の機種の数です。
 
その理由は、LPガスを燃料とした非常用発電機は、東日本大震災以降に作られた比較的新しい設備だからです。そのため、LPガス非常用発電機は出力8.0/9.9 kVA~45/54kVAの機種がラインナップされているのに対して、軽油(ディーゼル)非常用発電機は5.0kVA ~1135/1250kVAと、実に幅広い出力の機種がラインナップされています。これだけ幅広い機種がラインナップされているということは、災害時に使いたい出力量にぴったりの非常用発電機が見つかるということです。ただし、LPガス非常用発電機で大きな出力を使いたい時は、LPガス非常用発電機を2台、3台と繋げることで大きな出力を生み出すこともできます。その場合、非常用発電機を数台設置するためのスペースを確保しなければいけないため注意が必要です。

◆非常用発電機の価格は?

 非常用発電機の価格も気になるところ。価格に関しては、軽油(ディーゼル)に比べて、LPガスを燃料とする非常用発電機の方が1.5倍ほど割高であると言われています。 
 しかし、ここで覚えておきたいのが非常用発電機の設置には、助成金を活用する方法があるということです。「災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金」では、避難所まで避難することが困難な人たちが多い福祉施設などが対象となり、医療法人、社会福祉法人は導入費用の「2分の1」(中小企業の場合は「3分の2」)を補助して貰えます。この補助金以外にも各自治体で利用できる補助金があるので、導入を検討する際には、価格と合わせて補助金情報をチェックすることがおすすめです。

◆災害時の燃料の調達性は?

 ここまでは、実際に非常用発電機が稼働する前のお話でした。実際に停電になり、稼働する際に考えておきたいポイントがあります。それが燃料の調達性です。
 非常用発電機の燃料を保管する目安は、電気が途絶えて72時間の運転をそうていするケースがほとんどです。しかし、2018年に北海道の胆振地方で1週間の停電が発生したように、3日以上停電が発生することはないとは言い切れません。その時は、貯蓄している燃料に加えて、新たな燃料を調達する必要があります。
 では、どちらの燃料が調達しやすいのでしょうか。LPガスの場合、災害時の供給·配送体制が強化されており、LPガスを供給する業者が配送してくれます。一方、軽油(ディーゼル)の場合は、ユーザー自身が調達しなければなりません。軽油(ディーゼル)は、医療機関などを優先に調達されることが多く、入手が非常に困難です。また、軽油(ディーゼル)を求める人も多く、先述した北海道で起こった1週間の停電時には、ガソリンスタンドに大行列ができました。長期間の停電を想定すると、LPガスを燃料とした方が安心といえるかもしれません。

◆まとめ

 LPガスにも、軽油(ディーゼル)にも、メリットとデメリットがあります。何を優先的に考えるかで、どちらを燃料にするかが決まりますので、本記事をご参考にしていただければ幸いです。
 非常用発電機の設置に向けたお悩みなどがございましたら、岩谷産業までご相談ください。