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小さく始める停電対策! ポータブル発電機ってどうなの!?
災害時に確保したい電源。しかし、非常用発電機は設置するためのスペースやコストが必要となるため、導入にハードルを感じられている方もいらっしゃるかと思います。そんな方に備えていただきたいのが、今回ご紹介する『ポータブル発電機』。
今回はポータブル発電機で何ができるのか、ポータブル発電機を選ぶ際はどんなことに気をつければ良いのか、などポータブル発電機のイロハをご紹介します。
<目次>
ポータブル発電機で“できること”と“できないこと”
停電対策は、大きな設備を稼働させるための対策と、家電などを稼働させることだけに絞った対策の2つに分けることができます。
施設の照明やエレベーター、受水槽ポンプや冷暖房など、大規模な設備を稼働させるためには、定置式の非常用発電機のような大容量の電気を生み出せるものが必要です。
もちろん、この非常用発電機があれば、コンセントを使用できるので、家電などの機器も稼働させることができます。
一方で、災害時に使用するものをパソコンなどの消費電力の小さい機器に絞った場合は、ポータブル発電機で電力を賄うことが可能です。小さい機器といっても、消費電力によっては、たん吸引器などの医療機器、小型保冷設備や小型エアコンも稼働させられます。
また、ポータブル発電機は、電気が必要な場所に簡単に移動させられるというポータブルならではメリットもあるのです!
停電時にどこで何を使いたいかを想定することで、ポータブル発電機を備えるべきかどうかの答えを出すことができます。
定置式非常用発電機 | ポータブルガス発電機 | |
停電時にカバーできる電力 |
・発電量が大きく、大型の電気機器も稼働可能 ・照明・エレベーター・水のポンプ・コンセント・冷暖房等 |
小型の設備のみ 発電機付属のコンセントに接続 コンセント・冷蔵庫 |
サイズ・可搬性 |
・一定のスペースが必要 ・屋外据え置きで移動不可 |
・省スペース ・移動できる ※屋内では使用できない |
災害時の運用性 |
停電時に発電機始動の手間なし(事前に燃料・電気配線工事済のため) |
自ら発電機に燃料を接続する必要あり |
価格・費用 | 数百万円~数千万円 | 数十万円~数百万円 |
運転音 | 56dB程度 静か | 83dB程度 |
ポータブル発電機選び3つのポイント
ポータブル発電機と言っても、その種類はさまざまです。そこで、選ぶ際のポイントを3つご紹介します。
POINT1 稼働させたい機器の総電力に合わせる
ポータブル発電機は停電時に何を稼働させるかを決め、その電力に見合う発電機を選ぶ必要があります。モーターを動かす電気機器によっては、起動時に消費電力の1.1倍~5.0 倍の起動電力を必要とするものもあるので注意しましょう。
POINT2 使用する燃料の種類を決める
ポータブル発電機の燃料には、LPガス、ガソリン、カセットボンベなどがあります。LPガスは保管しやすく、連続運転時間が長いなどのメリットがあり、ガソリンは高出カモデルを選べるのが特徴です。またガスボンベは入手しやすく、コンロなどの使い回しもできます。それぞれの特性を踏まえ、最適な燃料を選びましょう。
POINT3 用途に応じた発電機のタイプを選ぶ
発電機は「インバーター」タイプと「スタンダード」タイプにわかれます。その違いは電気の品質です。PC、家電、精密機器には高品質な電気を作る「インバーター発電機」を使用するケースが多く、工事現場など電源の品質にこだわらないケースでは「スタンダード発電機」が最適です。
蓄電池と組み合わせて、長時間の電力確保も!
サーバーや医療機器など、電力を絶やすことができない機器を稼働させ続けたい場合、ポータブル発電機と蓄電池の両方を備え、長時間の電力を確保するという方法があります。
通常時から蓄電池を経由させて機器を稼働することで、停電直後は蓄電池の電力で機器が稼働し続けます。そして、蓄電池の残力が減ったものから順番にポータブル発電機で電気を充電します。フル充電できれば、残力が少なくなった蓄電池と交換するという方法です。
こうした対策は実際にコールセンターなどで導入されています。賃貸契約で、非常用発電機の設置スペースが確保できないというケースにもおすすめです。
もっと詳しく!ポータブル発電機Q&A
Q:ポータブル発電機は、並列接続して出力容量を2倍、3倍で使用することも可能ですか?
A:同機種であれば、2台までの並列接続がどの機種でも可能です。しかし、別機種同士の接続は不可となります。
Q:ポータブル発電機は屋外に常設するのですか?
A:ポータブル発電機に関しましてはお客様の施設内にて保管いただき、非常時は屋外にて使用していただく形となります。
Q:補助金、助成金は活用可能でしょうか?
A:ポータブル発電機には基本的に補助金はございません。定置式のLPガス非常用発電機に対しては補助金がございます。
Q:電気工事は発生しますか?
A:ご要望の内容によりますが、延長コードをご用意いただける場合、電気工事は必要ございません。
Q:施設でプロパンを使っています。この設備を組み合わせてポータブル発電機を稼働させることは可能ですか。
A:設備にもよりますが、基本的に現状ボンベ等にてLPガスをご利用であればポータブル発電機の稼働が可能です。ガスの取り出し口
の設置等の工事は必要となります。