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【非常用発電機の導入】停電時に必要な電力量の考え方とは?

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 「うちの施設だと非常用発電機は何台必要ですか?」という質問をよくいただきます。
しかし、非常用発電機を何台設置するかは、施設の規模ではなく、“停電時にどの範囲で何を稼働させるか”によって異なるものです。

 そこで、今回は同じ施設でも使用を想定するものを変えると、必要な非常用発電機の種類や数が変わることをご紹介します。実際は施設の設備によって使用する電力量などは異なりますので、あくまでも一例としてご参考ください。

<想定施設>

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事例A:フル稼働想定

■設置機器:LPガス非常用発電機54KVA×2基

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いつも使う設備を、いつものように稼働させる。 

 比較的広範囲をカバーする想定のケースです。足が不自由な方が避難することを考慮してエレベーターの稼働を想定。さらに、夏場や冬場には必要不可欠となる空調も使用できるようにしています。また、長期間の停電に備えて、水道やトイレの水洗が使えるように給水ポンプの電力や冷蔵庫、たん吸引機などの医療機器、特浴リフトなどの電力も確保。停電が起きても、普段使用している設備を可能な限り稼働させるという想定です。そのため、使用する電力も多く、LPガス発電機54KVAを2基設置する必要があると考えられます。


事例B:セレクト稼働想定

■設置機器:LPガス非常用発電機54KVA×1基
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必要な設備に絞って電力を確保する。

 想定する稼働設備としては事例Aとまったく同じです。しかし、事例Bの場合は、54kVAの非常用発電機の設置が2台ではなく、1台となっています。この違いは「空調設備の稼働範囲」です。空調というのは、稼働させるために非常に大きな電力を必要とする設備になります。そのため、停電時にどの範囲で空調を使用するかで電力量は大きく変わります。
 今回のケースでは、事例Aではいつも使用している空調を全て稼働させる想定です。しかし、事例Bでは稼働させる空調を共用スペースの数台に絞る設計。そのため、54kVAの非常用発電機が1台でもまかなえるという考え方です。


事例C:ミニマム稼働想定

設置機器:LPガス非常用発電機9.9KVA

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コンセントと照明の最低限の電力を維持する。

 エレベーターや空調といった大型設備は稼働せず、必要最低限の電力だけを確保するという備え方もできます。その場合に多いのは、非常用コンセントと照明を使用できるようにするケースです。コンセントがあればスマホやPCの充電ができるため、利用者様のご家族をはじめ、外部との連絡を継続的に取ることができます。また、照明については安全性、利便性はもちろんの事、精神的にも安心感も醸成するため、優先される施設が多いです。


<停電時に必要な電力量の考え方 POINTのまとめ>

POINT1:検討のファーストステップとして、停電時に使用したい機器の優先順位を決めることが重要。
POINT2:施設規模が同等としても、想定する使用機器により、設置する発電機の台数容量は異なる。
POINT3:空調など複数台ある設備は、どの範囲のものを何台稼働させるかで電力負荷が大きく変わる。


 今回の3つの事例は、停電時に必要な電力量の考え方が分かりやすいような形でご紹介いたしました。しかし、実際は非常用発電機の設置プランは、施設によって百人百様であると岩谷産業は考えています。なぜなら、施設の規模、使用している機器、停電時に優先したいものは、それぞれ異なるからです。
 非常用発電機の導入実績を多く持つ岩谷産業では、お客様の施設の場合、停電時にどの機器を優先し、どの範囲で稼働させるのかという検討段階からお手伝いさせていただきます。どうぞお気軽にお問い合わせください。