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停電時の二次災害「熱中症」防止へ、 今、考えておきたいこと。

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 いよいよ夏の暑さが本格化する8月。この時期、気になる災害といえば、台風です。ここ数年を振り返っても、台風による大規模な被害は日本各地で発生しています。そして、被害の一つとして、停電が起こることも珍しくはありません。
 その際に気をつけたいのが、二次災害の一つである「熱中症」です。今回は、停電時の熱中症の実態と事前の備えについてご紹介します。

【目次】
・停電時に熱中症が起こる状況とは?
・停電時にできる熱中症対策。
最も良い対策は、空調を稼働させること。
ガスエンジンなら、空調による電力負荷を抑えられる。
空調の入れ替えは、早めに検討を。
・空調があれば、冬の停電も安心。

停電時に熱中症が起こる状況とは?

 停電時は空調が稼働できないということだけではなく、熱中症が発生しやすい環境が生まれます。停電時は安全対策のために避難所への移動や、利用施設の共用スペースに集まることがほとんどです。多くの人が集団生活を行う避難所では、室内の温度が上昇しやすい傾向にあり、また、十分な換気が行えないケースも多々あります。そうすると、室内の熱がこもってしまうのです。その結果、熱中症のリスクが高まります。さらに、停電が発生すると、給水ポンプを稼働させられず、思うように水分補給ができないことも。そうすると、脱水症状を経て、熱中症になることもあります。
 重症化すると命を落とす危険もある熱中症。特に体温調節機能が低下している高齢者の方は、注意が必要です。

停電時にできる熱中症対策。

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 では、停電時、熱中症リスクを下げるために、どのようなことができるのでしょうか。
 まず、すぐにできることは服装の調整。なるべく涼しい格好になり、体の熱を放出しましょう。半袖・短パン、通気性・吸湿性・速乾性のある服があれば着替えるのもおすすめです。

 次に、風にあたること。風にあたると汗が蒸発して、体温の上昇を抑えられます。窓を開けられないときは、うちわで仰ぐだけでも効果的です。また、保冷剤や濡れタオルなどで、首回り、わきの下、足の付け根といった太い血管が通っている箇所を冷やすと、より体温を下げることができます。

 さらに、水分補給もしっかり意識することが大切。水だけを飲み続けると塩分が不足し、かえって危険な状態になるため、スポーツドリンクなどの備えがあれば安心です。

最も良い対策は、空調を稼働させること。

 停電時に電気が使用できない前提での熱中症対策をご紹介いたしましたが、最も良い熱中症対策は、停電時も空調を稼働させられる環境を整えておくことです。空調を稼働させられれば、部屋の温度を一定に保つことができ、熱中症のリスクは格段に下げられるからです。現在、停電対策として非常用発電機を検討されている方もいらっしゃるかと思います。その際、停電時に空調を稼働させられるように想定しておくことがおすすめです。しかし、空調は電力負荷が高い設備。そのため、停電時に空調を稼働させるかどうかは慎重に検討する必要があります。

ガスエンジンなら、空調による電力負荷を抑えられる。

 停電時の電力負荷を抑えられる空調として、LPガスを使用するGHP空調設備を導入するという方法があります。室外機のコンプレッサーを電気ではなくガスエンジンで駆動し、ヒートポンプによって冷暖房を行う空調システムです。消費電力が電気のヒートポンプに比べて約10分の1になることから、大幅に電力負荷を抑えられます。もちろん、停電時だけではなく、常時使用するエアコンとしても稼働が可能。経済的でエコという観点からも、メリットがたくさんある空調設備です。

空調の入れ替えは、早めに検討を。

 空調設備は導入から約10年が目安と言われています。現在、非常用発電機の導入を検討されており、且つ、設置されている空調設備を10年以上使用されている場合は、空調の入れ替えもご検討ください。

 その際、お早めに検討されるのがよい理由が2つあります。1つ目は、非常用発電機の導入補助金を活用できる可能性があるということです。例年、新年度になると補助金の受付が開始されます。令和5年度の補助金は、GHP空調設備も補助金の対象となり、補助金を受給することができるのです。補助金を受けることができれば、設備導入のコストを大幅にダウンできます。
そして、もう1つの理由は、現在、世界的に半導体不足なことです。この問題は、解消の兆しが見えておらず、スマートフォンやノートPCのメーカーのウェブサイトで増えている状況です。今後も続くようであれば、空調の製造にも影響が出る可能性も。こうした理由から、空調を導入する際は、早めの検討をおすすめします。

空調があれば、冬の停電も安心。

 今回は、夏の停電時に起こりやすい熱中症に焦点を当てましたが、冬に停電が発生した場合は寒さへの対策が必要となります。真冬の場合であれば、それもまた重大な問題です。実際、平成30年に発生した北海道の大規模停電の際は、灯油ストーブを使うためにガソリンスタンドに大行列ができていました。
 いつ起こるか予測できないのが災害。停電時の備えとして、電気の確保と同時に空調の稼働についてもご検討ください。岩谷産業では非常用発電機とGHP空調設備、どちらのご相談も承っています。