<PROFILE>
桂川町長 井上 利一様
町民の健康保持と保健意識の向上を図るため、総合的な福祉サービスを提供している福岡県嘉穂郡桂川町の総合福祉センターひまわりの里様。町の避難所として、より安心・安全を確保するために2021年に非常用発電機を導入されました。
総合福祉センターひまわりの里は、町民の方々が健やかで健康に集える拠点として、2000年に設立されました。ここでは多目的ホールや調理実習室、温泉やマッサージ室などの設備を提供しており、老若男女問わず、たくさんの町民にご利用いただいています。
災害時には避難所として機能する施設でもあり、2019年に大型の台風が上陸した際は、ここにもたくさんの人が避難されてきました。その時は停電の被害はなかったのですが、近年、未曽有の災害が頻発しています。そのため、今後のことを考えてしっかりと停電対策をすることにしました。当時、ポータブル発電機は備えていましたが、稼働できても3~4時間程度です。最近の停電は長期に及ぶことも多いため、3日間の電力を確保できる非常用発電機を導入する運びとなりました。
万が一、停電が発生した場合は避難場所となる多目的ホールや大広間の照明、空調、コンセントなどを非常用発電機で使用できるように設計しています。あと、工事を進めていく中で、災害時に本庁と連絡を取るために、事務所の電源も確保するべきだという話になりました。そこで岩谷産業に急遽、計画を変更してもらい、事務所の照明やコンセントなども使用できるようしてもらったんです。電気回路の変更は手間がかかるにも関わらず、快く対応してくれて非常に助かりました。
また、今回は補助金を活用して非常用発電機を導入したのですが、補助金の申請サポートやLP協会への提出書類の作成もお願いしました。工事もタイトなスケジュールであったにも関わらず、初めから終わりまで予定から遅れることなくスムーズに進行。終始頼りになる存在でした。
非常用発電機を導入したことは、私たちに2つのメリットがあったと感じています。1つは、災害時に総合福祉センターひまわりの里がより安心して町民の方々に過ごしてもらえる場所になったということ。そして、もう1つは、災害対策の推進効果です。非常用発電機を設置することで、避難所としてより良い環境をつくることへの意識が高まりました。例えば、公衆Wi-Fiの設置です。これまでは施設内に公衆Wi-Fiはなかったのですが、スマートフォンやPCで家族や友人と連絡を取ったり、災害の状況を確認する際、通信環境が必要となります。そうした状況を考え、公衆WiFiを設置することにしました。
また、別の自治体で、台風の際に避難所の窓ガラスが割れたことがあると聞きました。総合福祉センターひまわりの里もシャッターなどの設備がないため、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ることにしたんです。避難されてきた方がより安全で、少しでも快適に過ごしてもらえるために何が必要かをこれまで以上に考えるようになったのは、非常用発電機を導入した効果の1つだと言えます。
総合福祉センターひまわりの里は、新型コロナウイルスに対するワクチンの接種会場にも使用しています。実は接種会場では、停電が起きた時のことを想定し、電源を確保しておけなければなりません。実際、東京都の自治体では、地震による停電でワクチンの温度管理が不十分であった可能性が指摘されていました。そのため、停電の備えを行っていない会場は、急遽、蓄電池や発電機の準備をしたそうです。その点、総合福祉センターひまわりの里では非常用発電機を導入したタイミングだったので、万全の態勢でワクチン接種を進めることができました。
災害時はもちろん、いざという時に町民の安心と安全をしっかり守るため場所として、非常用発電機を備えておくことは、自治体としての役割のひとつだと思います。今後も、他の施設への非常用発電機設置を含め、さらなる災害対策を進めていく考えです。